玄武館の剣道

玄武館のあゆみ

昭和43年4月 玄武館道場 開設
 別府市浜脇1丁目
 名誉館長 近藤 知善
 館長   糸永 騏郎

昭和53年10月 玄武館開館10周年

昭和58年4月 春木川小学校体育館において少年剣道の指導を始める

昭和60年2月 玄武館第二道場 開設
 別府市中須賀本町
 館長 高松 右門

昭和63年4月 玄武館開館20周年

平成2年10月 第二道場5周年

平成6年2月 第二道場10周年

平成13年8月 糸永館長の逝去に伴い玄武館本道場閉館、第二道場と合体

平成16年2月 第二道場20周年を機に道場名を「玄武館」に統一し、道場歴を36年とする

平成20年4月 道場開館40周年

平成26年3月 道場開館46周年、第二道場(現 玄武館)30周年を迎える

平成30年4月 道場開館50周年

冊子「玄武館について」より抜粋

玄武館の指導方針

現代の剣道

  1. 剣道の理念
  2. 剣道は剣の理法の修練による人間形成の道である」(全日本剣道連盟)

  3. 剣道修練の心構え
  4. 「剣道を正しく真剣に学び心身を錬磨して旺盛なる気力を養い剣道の特性を通じて

    礼節を尊び信義を重んじ誠を尽くして常に自己の修養に努め以て国家社会

    を愛して広く人類の平和繁栄に寄与せんとするものである」(全日本剣道連盟)

玄武館のこと

  1. 道場訓
  2. 「剣は心なり心正しからざれば剣また正しからず、

    剣を学ばんと欲すれば先ず心より学ぶべし」(中津藩士 島田虎之助)

  3. 指導理念
  4. 文武不岐
    勉強と剣道の両立
    正々堂々
    正々の旗、堂々の陣(志と姿勢)・志は高く、行動は退しく
  5. 行動目標
  6. きちんと挨拶
    「はい」という自己主張・礼・尊敬・謙虚さ・素直(学ぶ態度)
    はきものを揃える
    整理整頓(自立の原点)・身だしなみ・所作(日本文化の美意識)
    技術の向上
    正しい剣道の修得・理法(心法・刀法)の修得
  7. 最終目的
  8. 剣道の修練を通じて

    • ①困難に負けない心身ともにタフ(強健)な青少年をつくる手伝い
      自立(克己)への足がかり
    • ② 他人を思いやり生命の大切さを知り身につける
      他人の痛みを知る・命は一つ・暴力の排除(鞘の内・抜いた刀は腹に納めよ)

剣道を学ぶ・目標・手段

 幼少年のみなさんが、道場で「剣道を学ぶ目的」は、剣道の稽古や試合を通して「礼儀作法を身につけ、健やかでたくましい体やこころ(精神)の成長を図る」ことにあります。

 その目的を達成する過程では、「剣道が上手になる・試合に勝つ・昇級や昇段する」などの「目標(道しるべ)」を立て、その目標に向かってたゆまぬ稽古を積み、努力するのです。したがって、試合に勝つことや昇段昇級することが最大の目的であってはなりません。それを目的に置けば、「勝つためには… 」という試合中心、結果重視の稽古にかたより、剣道の最も大切な部分(目的)を見失ってしまいます。

 しかし、試合に勝ち、上の級や段に上がることも重要な「目標」です。試合や昇段審在は、これまで稽古した結果を第三者の目で評価してもらうことですから、道場以外の場でもそのカが認められれば、剣道の楽しさや喜びも倍増し、更に、自信を持って新しい目標にチャレンジしようとする気持ちを高めていくことになります。

 反対に、試合に負けたからといって自信を無くしたり、自分は剣道に向いていないのでは・・などと心配する必要はありません。

 剣道には「勝って反省、打たれて(負けて)感謝」という教えがあります。

 今日、勝ったのは、自分の実力以外の相手のミスや幸運に恵まれた勝ちだったのかもしれません。勝った時ほど、自分の試合や稽古を振り返ってチェック(反省)し、その上に、得意な部分を伸ばし、欠点を直す工夫や努力をし、新たな高い目標を立て、稽古に励むことを怠ってはいけません。

 打たれたこと(負けたこと)は、まだ自分の力(技能)が不足している点、改善を要する所を相手や先生が教えてくれたのです。普段の生活ではなかなか注意してくれない自分の欠点や改める所を教えてくれたのですから、心から「ありがとう」と感謝しましょう。稽古の始めに「おねがいします」、終わりには「ありがとうございました」と「礼」をしますが、これは「礼に始まり、礼に終わる」という、剣道を学ぶ上で最も大切な態度・心構えです。

 このように、私たちは剣道の学びを通じて(手段にして)、こころも体も健康でたくましいせっさたくま青少年になると共に、お互いが切磋琢磨(相手の良い所を学んだり、欠点や誤りを直して互いに向上すること)しながら、すばらしい仲間をつくることになるのです。(この交わりをこうけんちあいむつかしい言葉では「交剣知愛」といいます)

 幼少年の時代から剣道を学んだ豆剣士が、これから先、一生にわたって剣道を続ける基礎を身につけてもらうことが、玄武館道場のめざすところ(目標)です。

玄武館の稽古

 新聞やテレビを見ると、毎日のように目を裂いたくなるようなおぞましい事件や事故が報道され、子ども達の生活や教育にも大きな影評を与えていると思われます。

 このような目まぐるしい社会や環境の変化にも惑わされない、明るく元気でたくましい子どもを育成するには、肉体と精神をしつかり鍛錬することが必要でありましょう。

 玄武館の稽古では、わが国の伝統文化である「剣道」や「居合道」を通じて、子ども達の心身を鍛えたいと思っています。

 剣道で身を立てる優秀な剣士を育てることを一義に置くのでもなく、また全国大会に出場するような試合に強い選手を育てることを目的にするのでもなく、自分のことは自分でできる自立した子ども、また将来、良識ある社会人として必要な礼儀や態度を身につけ、ルールやエチケットを守り、他人を思いやれる優しい心を持った人になって欲しい・・、そのような思いを基本において指禅を続けています。

 もちろん、剣道の技量向上や、試合に勝つことによって得る喜びや自信は、成長の糧として計り知れず、そのために必要な、より高度な技量を身につける修練も、成年の方々と一緒に取り組んで行きます。

 最近、「剣道を始めたい」という子どもやご家庭が次第に増えてきましたが、同時に、せっかく始めたのに「きついからやめる」と言う人も多く見かけます。少し厳しい指禅をすると長続きしません。誠に残念です。僭越なことを言えば、「厳しさと優しさ」、つまり褒めることと鍛えることの両面が人間育成の要諦と思っています。成長のためには、暑さ、寒さはもとより、少しぐらいの辛さや困難は克服するくらいのタフな精神力が必要でありましょう。

 玄武館の指禅理念は「文武不岐」「正々堂々」ですが、まず身につけることは「きちんと挨拶」「はきものを揃える」の二つです。

 このような些細で当たり前のことがきちんとできることが、全てのスタートと考えます。しかし、これらを身につけるのは「道場」の場だけでは無理です。「学校」でも「家庭」でもみんなが一緒になって同じことを根気よく指禅し続けないと完成しません。(例えば、子ども達を道場に送迎する際には、おとなの方がまず挨拶を実践し、お手本を示してください)

 心身ともに健全な子弟を育成すると共に、わが国の伝統文化を継承するためにも、ご協力をお願いします。